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思い草

仲秋の名月の頃、穂を出し始めたススキの根元にそっと顔を見せる思い草。

正式な和名はナンバンギセルといいますが、キセル(煙管)と言ってもそれがどんなものか思い浮かぶ方はけっこう高齢の方しかいなくなってしまったのではないでしょうか。今では細く刻んだ煙草をキセル先に詰めて火をつけ、紫煙を楽しむ粋な姿を見ることはなくなってしまいましたね。

万葉集の昔、もちろんキセルは日本にはありませんでしたから、この植物は思い草と呼ばれていました。小首をかしげて物思いに沈む風姿になぞらえた名前です。

ススキと名月、静かに物を思うにはぴったりの季節。

思い草はビニールハウスのススキの鉢に出ているので探してみてください。

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