【巣箱回収】 9:30~15:00
クラブ員4名での作業です。今回はノコギリに長い木の柄を付けたものと、竹竿の先に木の枝をつけた「道具」を使いました。地上から一人が竹竿の先の枝を巣箱の入り口に差し込み、巣箱を支えます。もう一人が長い柄のノコギリでシュロの紐を切ります。この方法だと木に登らずに済み、作業も簡単で、短時間で回収できました。今回回収した巣箱は19個、そのうち、巣立ちしたと考えられるのは10個でした。巣立ち率約52%でした。
シジュウカラの巣箱での巣立ち率は64%くらいだそうですので(※1)。まあ平均的な率だといえるでしょう。
回収した巣箱の中に、たいへんめずらしいものがあったので紹介します。それは沢小屋の外側の壁に取り付けたものです。
巣箱の中を見ると、産座がきれいに残っており、無事に巣立ったようです。この時期になると産座は多少くたびれたようになっていることが多いのですが、まるでモデルハウスのようにきれいな状態のままでした。
驚いたのは産座の状態ではなく、巣箱の屋根の上です。なんとオオルリの巣があったのです。その産座もきれいな状態で残っていました。この巣箱は、げんきの森の標準的な仕様のものではなく、小原さん作の竹筒を利用したものでした。巣箱の屋根の傾斜がゆるやかであったことが幸いでした。しかも沢小屋の庇が、巣箱を守るような位置にありました。おなじ巣箱で、シジュウカラとオオルリという違った種の鳥が繁殖したというのはたいへん珍しいことだと思います。もちろん繁殖の時期は同時ではないでしょうが、おそらくシジュウカラが巣立って巣箱が空になってから、オオルリが営巣したのでしょう。想像するだけで楽しくなります。
それともう一つ、今回の回収とは直接の関係はないのですが、誤解していたことがありましたので、報告しておきます。設置した巣箱の入り口に傷がついていたり、欠けていたり、ひどい場合には穴が大きくなってしまっていたりしたものを見かけます。これをアオゲラなどのキツツキの仕業だと考えていたのですが、ほとんどはシジュウカラの親鳥のしわざだそうです。入念に強度をチェックするため、つついたり、かんだりするからだそうです。(※2)まだまだ今回の回収で気づいたことがあるのですが、長くなりますのでこれで終わります。 (※1)(※2)は「『おしどり夫婦』ではない鳥たち」濱尾章二 岩波書店より
(渡辺義広)
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